2010年1月19日(火)に行われたDTP Booster 010(Tokyo/100119)@Illustrator特集に行ってきました。そのときのレポートをしていこうかと思います。
場所はアップルストア銀座(3F)で行われました。 今回の講師は「少しだけ作業を効率化できる(かもしれない)Illustratorの便利技」 尾花 暁さん、「とんちでのりきるイラレ術 – スクリプト、やってみませんか?」 倉田タカシさん、「ライブカラーとkulerの活用術」鷹野雅弘さんの3人で行われました。
今回はIllustrator特集ということで、内容的には効率化に繋がるネタが多かったかと思いますので、自分の意見も含めて、内容をシェアしたいと思います。
1)「少しだけ作業を効率化できる(かもしれない)Illustratorの便利技」 尾花 暁さん
あかつきさんのセッションは4つ。
- collect to outputを使った画像収集の方法
- Bridgeを使ってXMPの情報から、作成したデータの情報を確認する
- グラフィックスタイルを使っての作業効率化
- 普段の作業にショートカットを追加してみる
でした。
「collect to outputを使った画像収集の方法 」は、標準で付属されているサンプルスクリプトを使って、画像収集が出来ますよ。という説明です。ずいぶん前からこのスクリプトは出ていて私も使っていますが、Illustratorで配置した画像データを収集出来るという優れもの。しかし、使用する際に注意点もあるので、下記URLにて確認を。(補足:「collect to output」はフォントまでは収集できないのですが「Suitcase Fusion 2」を使っているのであれば、使用フォントの収集もできるので、お持ちの方は使ってみてはいかがでしょうか?)
「Bridgeを使ってXMPの情報から、作成したデータの情報を確認する」では、Bridgeを使って、作成データを開かなくても、データの詳細が分かるというモノ。わざわざデータを開かなくても詳細が分かるのはありがたいです。こちらも下位バージョンのデータを見るときに注意点があるそうなので、下記URLにて確認を。(補足:InDesign、IllustratorEPSのプレビュー、使用書体、カラーデータが見たいなら「SneakPeek Pro – Quick Look Plugin for Graphic Design Files」を使えば、QuickLookにて確認する事ができます。)
「グラフィックスタイルを使っての作業効率化」は、オーバープリントの有無、フチ文字を作るときなど、あらかじめ作っておけば効率化出来るというお話。普段使うメインの色を登録しておけばラクになります。グラフィックスタイルは資産なので、ちょこちょこ作ってはストックすることをオススメします。
「普段の作業にショートカットを追加してみる」は、普段オブジェクトを作成する時などに、十字キーなどショートカットキーを追加することで効率化が望めるというモノです。これは間違って押した時に偶然に発見したというシチュエーションが多いかと思いますが、結構解説書やマニュアル本に載っていることも多いので、一度見てみることをオススメします。
【感想】
大舞台は多分これが初めてということですが、「しゃべり足らない」とコメントされていて、堂々とした風格でお話されていました。今後は色々なイベントを考えられているとの事なので、そちらの方も楽しみにしています。
【参照】
あかつき@おばなのDTP稼業録 DTP Booster 010の補足とおさらい
2)「とんちでのりきるイラレ術 – スクリプト、やってみませんか?」 倉田タカシさん
緩い感じのイラストもステキな、蔵田タカシさんです。やはりファンは多かった!ちなみに会場でのスクリプト使用率は4割程度。思ったより多かったかも。しかし、さすがに自分でスクリプトを書くという方は数えるほど。敷居の高さを感じるという結果になりました。
さて講演の内容ですが、初めは倉田さん自身が作成されたスクリプトのデモでした。テキスト関連のスクリプトを紹介をされていました。かゆい所に手が届くという感じのスクリプトが、これまたクセになります。みなさんも一度使ってみてはいかがですか?
次はスクリプトを公開されている方々のサイトを紹介されていました。、s.h’s さん、PICTRIXさん、なにする?DTP+WEB さんを紹介。それぞれ特徴のあるスクリプトを公開されています。スクリプトを書かれている方からの解説はとても新鮮で、興味深いモノでした。
そのあとはハガキ印刷の文字サシカエをして印刷まで行うスクリプト。Illustratorを使うことで自由度が増すので…ここまでできるんだなぁと、興味深く聞いていました。
最後にスクリプトをもっとみんなで書いて見ませんか?という提案をされていました。問題点として、プログラミングと英語という言語や解説書が少ないという事。解説書としてはAdobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集(PDF仕様) という本も出ているようなので、興味のある方は購入してみてはいかがでしょうか?
【感想】
今回、初めてお目にかかりましたが、とても物腰の柔らかい、ほんわかされた方でした。スクリプトの事だけではないのですが、アプローチをゆるく捉えることで、敷居の高い(そうな)事を自分なりに引き下げて挑戦する事も大事なんじゃないのかな?と、倉田さんのセッションを聞いていて感じました。あと、サイト紹介の時に、ブラウザのタブに「ものかの」さんのサイトが見えたようなので、いい機会なのでステキなアプリケーションを紹介しておきます。Illustratorのスクリプトを多用するのであれば、別パレットで操作できる方が便利だと思います。そんなアプリケーションが「ScriptPalette AI 」です。興味のある方はぜひ!
【参照】
イラレで便利 for Adobe Illustrator – アドビ・イラストレーターのツール集
3)「ライブカラーとkulerの活用術」鷹野雅弘さん
鷹野さんのセッションは2つ。
- ライブカラーを使って効率的に色を変更する(ex.ミッフィーカラーに変更してみよう)
- kulerをつかって、ネットを介してカラーや配色を共有
15分の短い間で、的確に2つの内容を説明されていました。
「ライブカラーを使って効率的に色を変更する」では、 色を変更するときに、効率的に変更できる機能「ライブカラー」を説明されていました。カラーバリエーションを多く作りたいといったときに、便利に使える機能ではないでしょうか?
最後に「kulerをつかって、ネットを介してカラーや配色を共有」を解説。カラーや配色をネット越しで登録したり、登録されている配色やカラーをダウンロードして使用することができます。そのデモをされていました。シチュエーションで検索することもできるようなので、興味ある方は試してみてはいかがでしょうか?
【感想】
時間が短い中、適切に進行、解説を行うデモはやはり素晴らしいの一言です。 途中、アプリケーションのエラーメッセージが出ても何事もなくウィンドウを消して進行したのを見て「鋼のハートだ…」と改めてすごさを実感しました。
【総評】
今回も色々なTipsを見られて、とても有意義な時間を過ごさせて頂きました。ありがとうございます。入稿時の作業や、繰り返し作業している事が短時間で済むといったTipsは、本当にありがたい事です。事務的に作業して個人差が出ないものは、どんどん導入していった方がいいかと思います。「本当に使いたい時間に時間を使う事」これがクリエイティブに仕事や人生をより楽しくするライフハックかと思いますので(^^)
あと、セッションの間にadobeの岩本さんが「Acrobatのアップデートの不具合」について説明がありました。バージョンが多ければ、それだけ検証も大変かと思いますが、普段使うアプリケーションだからこそ、慎重にアップデートしたほうがいいな、と改めて思いました。
【今後のDTP Boosterについて】
今のところ、予定はないそうです。予定が決まり次第、こちらでも随時お知らせいたします。大きなイベントとしては、来月「PAGE2010」が池袋にて開催されます。時間が取れれば、私も参加しようかと思いますので、興味のある方はぜひ!
【参照】
PAGE2010 – JAGAT
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