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【心のコトノハ】「相手を知ろう」ということは、自分の不安を解消するためではない 〜日本メンタルヘルス協会の第3講座を受けてみて〜

前回のエントリに引き続き、今回は日本メンタルヘルス協会の第3講座に参加してきたレポートをしたいと思います。 今回のテーマは「心の伝え方」についてです。

いざ!

詳細は以下に。

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行きつけの喫茶店での最後の朝食

ここに来るのは、今日が最後。

昨日、日本メンタルヘルス協会の基礎講座前半、第3講座を受講してきました。前の日に仕事が立て込んでいて、寝るのが遅くなってしまい、朝寝坊したことは内緒にして下さい(誰に?・笑)

寝坊といっても、学校の講座に遅れたわけではなく、学校に行く前に毎回行っている「NEW YORKER’S Cafe」での過ごす時間が少なくなるってことでした。

ここのお店は、じつは3月28日で閉店するとのこと。毎週、このお店で授業前にMacBook Airを開いて30分ほど雑務をしていたんです。出かける前の身だしなみように、ここに来て過ごす時間が、学校に行く前の身だしなみの時間だったわけですが…閉店となると、やはり寂しいものです。

昨日は寝坊した分、過ごす時間は短かったですけど、感謝の気持ちを込めながら、おいしく朝食を頂きました。今まで気持ちよく過ごしてもらったことに、そしてすがすがしい店員さんの接客に、感謝、感謝です(^^)


foursquare :: NEW YORKER’S Cafe 銀座マロニエ通り店 :: 中央区, 東京都

今までありがとうございました(^^)


基礎コース前編 第3講座「大切な人への心の伝え方」

今回の講座担当講師は、丸山 弥生先生という方でした。

神奈川出身で、現在は大阪に住んでいるとのこと。愛くるしい健康的な体型から、とてもステキな笑顔と愛あふるるノリツッコミが連発!とてもパワフルな先生といった印象でした。

丸山先生ご自身もおっしゃってましたが…講座を聴き終えて、思わず自分の心の中で「神奈川の人だったんですよね?」とツッコんでしまいました(笑)


日本メンタルヘルス協会:丸山弥生のひとこと

丸山先生の公式ブログです。



 

講義前半は第1講座のおさらいから

今回の講座のテーマが「心の伝え方」ということで、第1講義の時に「聴く」こととリンクしているということで、おさらいをしながら講義が進んでいきました。もし、このエントリを日本メンタルヘルス協会の生徒さんが見ていて、第三講義をこれから受講するのであれば、第1講義の復習をしておくといいかもしれません(^^)

  • 行動の四角形(心の窓)
  • 同意と共感との違い
  • 母子一体感と離別感

前々回の講義で教わった「行動の四角形」の中で、非受容領域の中に「Iメッセージ」ということが追加されました。この「Iメッセージ」が、今回のテーマの中心になります。

■オンリーワンという存在

先生がホワイトボードにこんな一文を書かれました。

「I love you. because you are you.」
(私はあなたを愛しています。なぜなら、あなたはあなただからです。)

今日の授業は、この言葉に集約されていました。

自分がこれからコミュニケーションする目の前にいる相手は、誰の代わりでもない、オンリーワンのかけがえのない存在。そういった存在と認識して、愛を持って接する。私はそういった解釈をしました。言葉にすると「ああ、そうだよね」って流しそうになりますが、これは本当に大事なことなんだと思います。

コミュニケーションにおいて大事な「聴く」ことを進めていく上で、この考えは重要になってきます。そして相手のことを聴いていくだけで完結するコミュニケーションももちろんありますが、時には自分が伝えたいことを「話す」ことも出てきます。そこで自分の考えを伝えるときに「Iメッセージ」と「Youメッセージ」という二つの伝え方があるということをお話していただきました。

「北風と太陽」が2つのメッセージのヒント

伝え方が二つあるということでしたが、どう違うのかを「北風と太陽」の話で説明されていていました。

あるとき、北風と太陽が力比べをしようとする。そこで、旅人の上着を脱がせることができるか、という勝負をする。

まず、北風が力いっぱい吹いて上着を吹き飛ばそうとする。しかし寒さを嫌った旅人が上着をしっかり押さえてしまい、北風は旅人の服を脱がせることができなかった。

次に、太陽が燦燦と照りつけた。すると旅人は暑さに耐え切れず、今度は自分から上着を脱いでしまった。 これで、勝負は太陽の勝ちとなった。

北風と太陽 – Wikipedia

ここで言う「北風」が「Youメッセージ」であり「太陽」が「Iメッセージ」となるとのこと。

  • 「Youメッセージ」は…主語が「あなた」(相手)で非難・否定を伝えるもの。
  • 「Iメッセージ」は…主語が私(自分)で事実→影響→感情を経て伝えるもの。

同じ伝えることでも、こういったことを意識して伝えることをしないと、相手には伝わらないな…と改めて思いました。

■「第1感情」と「第2感情」のメカニズムを知る

先生がホワイトボードに「Youメッセージ」の説明の時に「怒りとは第2感情である」と書かかれていました。だとすると、第1感情がどんなものかが分かれば、第2感情がわき上がるメカニズムが見えてくる…ということになります。

これは自分の解釈なのですが、第1感情は、自分が感じた感情そのものであり、その感情を感じたことに対して、相手に非難や否定をしたくなる感情として、第2感情の「怒り」が発生する…ということになりますので、こういったメカニズムを知ると、自分が無駄に怒らなくなるようになります。

そういえば、これを書いていて思ったのが「怒る」と「叱る」も見た目は同じようでも、意味が違うんですよね。ここは今度先生に聴いてみようと思います。

ということで、相手に対しての避難・否定を伝えることが「Youメッセージ」になる…と分かりました。

「Iメッセージ」の伝え方

相手に伝えるためには「Youメッセージ」ではなく「Iメッセージ」を伝えるのがいい。では、どうやって伝えたらいいのか?をお聴きしました。

■事実→影響→感情の順で伝える

第1感情である「自分が感じた感情」を脚色しないで伝えることが大事であるとおっしゃっていました。自分なりの考えを踏まえて復習してみると…

  1. 事実(相手の行為や出来事を、ありのままに主観的ではなく、客観的に伝える)
  2. 影響(事実が起こることによって、どういった影響(波及効果)がでるのかを伝える)
  3. 感情(ここで自分の感じている素直な心情を伝える)

という流れを元に「Iメッセージ」を伝えるとのこと。

そして、それに加えて大事だと思ったのが「相手に選択の自由を加味した質問をする」ということでした。自分の意志を伝えても、選択の余地もなく「こうなって欲しい」という気持ちで伝えることは「Iメッセージ」が「Youメッセージ」になってしまうこともあるからです。

そして、相手の話を聴かず、お互いの信用、信頼関係を構築する前に、一方的に「Iメッセージ」を伝えたり、「Iメッセージ」を連発してしまえば、内容がたとえ「Iメッセージ」だとしても、相手には伝わらないということです。

ああ、普段でも自分、たまにやってるわ…と気付いたので、基本である「聴くこと」があくまでも大前提だと、講義中、そして復習してみて改めて感じました。

■Iメッセージには3種類ある

Iメッセージには以下の3種類があるとのこと。

  1. 救助(ものごとが起こったあとに「自分はこう思っている」と伝える用法)
  2. 感謝(文字通り、感謝の言葉を伝える用法)
  3. 予防(この先、問題が起こりそうなときに前もって予防するために使う用法)

この3つすべてにおいて自分が感じたことなのですが「Iメッセージ」を伝えたからといって、それに対して自分の思い通りにならないことがあっても、それに固執しないことが大事なんだな…と思いました。

正論ではなく、自分が感じたことを素直に相手に伝えることは、とても勇気のいることだと思いますし、いままで、もしこのような「Iメッセージ」を相手に送ったことがなくて、勇気を振り絞って「Iメッセージ」を相手に送れた人は、本当にすばらしいことだと思います。パチパチパチ(←拍手)

■自分でも相手でも、何か変わろうとする場合は「ある程度の時間が必要」

勇気を振り絞って「Iメッセージ」を自分が相手に伝えた時に、とても苦い経験したことがありまして、その時に分かったことがあります。それは…

相手にも変化を受容する時間が必要

ということです。

「Iメッセージ」を知人や身内に伝えたときに「こんなに自分は勇気を振り絞って伝えたんだ」という気持ちから「その場で変わって欲しい」という期待が生まれていました。 でも、いままでそんなことを言われたことがない相手にとっては、そんなことを言われると、戸惑いや勘ぐりが起こると思うんです。

  • ケチな人がいきなり「おごってあげる」と言われたら?
  • 怒りっぽい、いつもガミガミしている人が、急に優しくしてきたら?
  • 無口な人が突然話しかけてきたら?

心理学に興味がある人とかであれば別にしても、もしそういったことを知らない場合で、自分がもし言われる立場だったらって想像してみて下さい。

突然のことでびっくりして、言われた人に対してに無視をしたり、心の中で「なんか裏があるんじゃないの?」とか考えると思うんです。

自分が心を込めて何かを伝えることはもちろん大事ですが、相手がそのことを受け入れるかどうかは、相手が決めることです。なので、大海原のごとく、それでも足りなければ大宇宙のごとく(笑)大きな心で見守って欲しいと思います。

私はそれが簡単にできなくて、多くの人を傷つけてきました。でも、意識して何度もやるうちに、それが分かったときには、本当にうれしかったです!なので、今後もし「Iメッセージ」をだれかに伝えようと思ったら、そのことを意識して伝えてみてはいかがでしょうか?

はじめは「ああ、反応がないや…」とか「こんなことならやらなきよかった」など色々グッタリする気持ちがわき出てきます。

自分が純粋な気持ちを持って、心を込めて相手に伝えれば、表情や態度に現れるかどうかはわかりません。 でも、何度もやっていくうちに、きっと相手の心には届いているんだと思います。

でも、もし仮に届いていなくても、今までできなかった「相手に「Iメッセージ」を伝えること」をできただけでも、それで十分すばらしいことなんだと思うんです!

■自分を褒めることの本当の意味

自分が何かにチャレンジすることを決意して、飛行機のごとく飛び立った後は、結果はどうであれ、無事に着陸したときは必ず「できたこと、やったことににフォーカス」して締めくくって下さい。そして自分を褒めてあげてください(^^)

なにかにチャレンジし終わって、そこにだれもいなくても、自分自身を褒める。それを習慣化すると、何をやるにしても、必ず褒めてくれる人(自分)がいることに気がついて安心できます。

自分を褒め続けると、褒めることに抵抗がなくなるんです。自分に対して褒めるので、遠慮がいりません(笑)

で、いざ、ほかのだれかを褒めることになったときに、褒め下手が解消されているというメカニズムができて、相手をさらりと褒めることができます。これは感謝も同じようなことが言えます。

褒めること、感謝することが何気なくできる人は、その雰囲気はみんなに伝わりますので「あの人といると、なんか楽しいよね」とか「落ち着くよね」と言われるようになります。

自分を褒めてたら、相手に喜ばれるようになるかもって思うと、ワクワクしませんか?(^^)

■杏珠の妄想タイムの時間です(笑)

これは自分の妄想も入っていますが、自分でもすばらしい妄想だと思うのでシェアしたいと思います(自画自賛・笑)

もしかしたら、「Iメッセージ」を伝えた相手は、自分には恥ずかしくて反応や返事ができなくても、伝えた相手が、自分以外の誰かに勇気を持って「Iメッセージ」を伝えるきっかけになるかもしれません。

他には、伝えた相手が「あいつが俺にこんなことを言ってたんだよ」という話題を友達に話して、その話を聞いた友達が「ふーん、そんなことがあったんだ…んじゃ俺、●●さんに勇気を出して言ってみようかな?」と考えるきっかけになるかもしれない。

もしくは「それってすっごくうれしいことじゃない?」と友達に言われて、それがきっかけで自分に反応が返ってくるかもしれません。

自分がなんとなく想像がつく結果が分かって、その通りにハッピーになることももちろんうれしいですが、自分が想像できないようなハッピーが、自分の見えない所で起こっている方が、ミラクルな感じで私は楽しいと思います(^^)

今度、突然ハッピーなことが目の前で起こったときは、それはきっと、自分がいいと思って起こした行動がきっかけかもしれませんよ(すっごい天国思考・笑)

そういったミラクルな結果が、自分がアクションを起こした時に、どこかで起こるかもって考えて行動してみてはいかがでしょうか?そうすると、特定のことに執着しなくなりますし、なにより行動することが楽しくなってきますよ!お試しアレ(^^)

まとめ

「相手になにかを伝える」ことって「ストレスの肥大防止」という視点からも、とても大事なことなんだと思います。「聴く」ことと「伝える」ことが講座をまたいでリンクしていて、両方とも大事なことなんだ…と分かりました。そういった意味でも、今回の授業もとてもためになりました。丸山先生、ありがとうございます!

■「心理学」という諸刃の剣

学校に行くずいぶん前に「コミュニケーションを円滑にしたい」と思って、心理学や催眠療法、コミュニケーション学を勉強していた時期がありました。今になって言えることなのですが、2つほど大変申し訳ないことをしていた…ということを思い出しました。

  • 相手の信用、信頼を構築せずに、心理学的スキルを使って「自分の思い通りになってもらう」ような誘導を試みていたこと。
  • 奥さんの考えが理解できず、どうしてもその考えを知りたいと思って「一方的な尋問」をしてしまった。

奥さんに対しても、「自分の思い通りになって欲しい」という気持ちでコミュニケーションをしてしまった方々に対して、本当に申し訳ないと思っています。

この教訓から得たことは

「自分が不安になること」から逃げたかった

ということです。

相手の気持ちを組まずに、自分が予測出来ないことが起こるのが不安だから、自分が安心する材料を引き出したり(尋問)相手が自分の思い通りになるように仕向けたり(心理学的スキル)していたんです。

でもこれは一方的な自分の不安を解消したいだけなので、コミュニケーションじゃないと思うんです。こういった考えをもって行動していると、相手が受け入れてもらえなくなるのも当然だと思うんです。

今後、授業を重ねていくうちに、知識や経験が増える一方で、自分が「諸刃の剣」を常に持っていて、授業が進むごとにその影響力が強くなっていくんだ…ということを、肝に銘じておきたいと思いました。

このことは、今後カウンセラーをするのであれば、常に意識しておく必要があることなので、自分の戒めとしてもここに書いておこうと思います。

次回が基礎講座前半、最後の講座(^^)

次回は基礎講座・前半の最終日。どんな授業が聴けるか今から楽しみです!

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1972年生まれ。東京都八王子出身・中野区在住。デジタル機器やデジタルサービスを駆使して、いつでもどこでも人生を謳歌する「デジタル寅さん」として活動中。デジタルの楽しさを知ってもらうためのデジタルサポートを行っています。 その他にはグラフィックデザイナー、料理や食を通じてコミュニケーションを楽しむ研究をしている「食と心の研究家」としても活動。料理コミュニティ「キッチン男子部」の顧問も。