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【本】【考え方】「もったいない主義」と「考具」から改めて学んだ「制約」とのうまい付き合い方 〜第1回〜 なんでもメモとのうまい付き合い方

本、読んでますか?

すごい唐突なんですけど、実は私、本を読むのが苦手でした。
純粋に漫画が好きだったというのもあるんですけどね。ちなみに唯一、小さい頃に熱中して読んだのが…「ズッコケ三人組」でした(笑)
漫画は素晴らしい文化です。私が漫画から学んだことは、数え切れないほど多くあります…が、今回は書籍を元にお話しさせていただきます。

本が好きになったのは本当に最近で、2年ぐらい前だったかな?興味のある本をじっくり自分に染みわたるように読んでいます。

今日紹介したいのは「もったいない主義」(小山薫堂:著)と「考具」(加藤昌治:著)の2冊です。

デザイン書ではないのですが、自分の固まった考え方のワクの外し方、常に自分に問いかけていけば、ミニマムな普段考えていることの組み合わせであたらしいアイデアが浮かんでくる方法など、「アイデアをふくらませたい」「最近ワンパターンだな、考え方が…」と思う方は、是非読んでみて下さい。
ちなみに小山薫堂さんって、本を買うまで知らなかったんですけど、有名な放送作家さんだったんですね…しかも映画「おくりびと」の脚本を書かれたとか。(J-WAVEでたまに出ている面白いおじさんだなーとしか認識してませんでした)

で、本当はこれだけで終わるつもりだったんですが…みんなとシェアしたい事があったので、急遽連載することにしました(笑)ほかの記事も同時に書きながら記事を練っていますので、しばらくお付き合い下さいませ。

この本を読んで、ふと頭に浮かんだのが「制約」という言葉でした。
制約を辞書で調べてみると「ある条件や枠をもうけて、自由な活動や物事の成立をおさえつけること。また、その条件や枠。」と書いています。デザインをするときのシチュエーションでもよく使われます。たとえば…

・写真の解像度が足りないので、見開き全面に使えない。
・著名な作家さんから頂いた原稿なので、文字量が削れない。
・写真が古いものしかなく、写真がモノクロでしか使えない。
・クライアントが「赤」が大好きなので、色は赤しか使えない。
・作り込んだパーツが欲しいが、作っている時間がない。

等々「ああ、あるある、あるよね」と思われた方も少なくないかと思います。

ここで実験。このようなシチュエーションを、次のような解釈でとらえてみると…

・写真のこの解像度なら片ページ全面埋まる。では、対向ページの地色をイロベタで敷いて、変わった書体を置いてみてはどうだろう?
・文字を先に流し込んでみて、天地にスライド映画のように写真を置いてみてはどうだろう?
・素材がモノクロ写真なら、いっそのことセピア色にしてみてはどうか?古帯びたアルバムのような背景を使ってみてはどうか?
・クライアントは「赤」が好きなので、スミベタに白ヌキ、目立たせたい文字を赤にしてみてはどうか?
・以前作ったデータの中で、企画がボツになったモノの中で、この企画にも合いそうなパーツがあったな。それを使ってみてはどうか?

としたら…どうでしょう?
文末に「?」をつけて質問形式にして、その内容を逆の発想、もしくは全く別の物に置き換える(仮説を立ててみる)という事をしてみました。もちろんそう考えたからといって、劇的に目の前の状況が変わる事はありませんが、いま出来る事、出来そうなことが見えた感じはしませんか?

自分がそうだったんですが「制約=そこからなにか外的な要因や物がないと先に進めない」という固定概念にとらわれていました。
アプリケーションで言えば「このパーツはイラストレータでないと作れない」とか「これはフォトショップで作らないといけない」と「義務」といっていいほどの思考停止な事をフリーランスになってかなりの期間、そう考えていました。

「制約とうまく付き合って、ここから相手が喜んでくれる、納得してくれる表現方法や、短時間で出来る物はないか?」と常に意識すれば、アイデアを引っ張り出すフックを自分に常に問いかけておくことで、おぼろげに答えが見えてきます。

この話をすると「確実性がないよー」とか「そんなに覚えていないよー」とか「…めんどくさい(笑)」と言われますが、そんなときに「なんでもメモ帳」が発揮します。
「考具」の本の中でもメモに関する事も書かれていますが、とにかく自分が「気になった」という物を記録する。ということを続けてみて下さい。2〜3行とかでもいいんです。なんなら一言でもいいです。(私は一言の方が圧倒的に多いです(笑))ちょっと余力があるなら、簡単な絵を描いても結構です。ささっとメモ帳に書く。書くのが面倒ならデジカメで撮影しておくとかでもいいです。そして一週間に一回でいいので、そのメモを集計して見返してみます。すると、自分がどんな風に意識して、どんなものに興味があるかと言うことが分かります。

それが定着してくると、実は…「あれ?自分って、こんなにいろんな物に興味を持てているんだ?」と不思議な感覚になります。じつはそこがミソだったりします。
そこで貯めてきたアイデアと、まったく関係ない制約がある仕事を強制的にくっつけようと考える事で、実は制約があるにも関わらず、自由な発想が出来たりします。

もちろん完全なものが出来るという保証はありませんが、自分の経験から、この考え方を実行することで爆発的にアイデアが出るようになりました。
2回目以降に実際に仕事で作例したものとか、そういった組み合わせから「さらにこんな物まで作っているよ」といったものも紹介していこうと思います。

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1972年生まれ。東京都八王子出身・中野区在住。デジタル機器やデジタルサービスを駆使して、いつでもどこでも人生を謳歌する「デジタル寅さん」として活動中。デジタルの楽しさを知ってもらうためのデジタルサポートを行っています。 その他にはグラフィックデザイナー、料理や食を通じてコミュニケーションを楽しむ研究をしている「食と心の研究家」としても活動。料理コミュニティ「キッチン男子部」の顧問も。
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